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  脱臼とは

 関節に外力が加わり、正常範囲以上の肢位を強制され、関節面相互の解剖学的位置関係を失った状態をいいます。

 このうち関節面相互が接触しているものを亜脱臼、接触していないものを脱臼といいます。

 さらに脱臼時に関節構造部分の骨折を伴う場合は脱臼骨折と呼ぶ。

 好発部位は肩関節、肘関節に多く、全体の3/4を占める。

 その他、指関節、股関節、膝関節、肩鎖関節などにもみられます。

 

  *症状

 局所の激しい疼痛と腫脹、変形、機能障害、他動的に運動させるとバネ様の抵抗(バネ様固定)があります。

 関節周囲組織の損傷が大きいと不安定性を認めます。

 

  *合併症ならびに続発症

 関節周囲の骨折、大血管、神経の損傷を伴うことがあります。

 大腿骨頭、距骨などでは血行が遮断され阻血性壊死が続発することもあります。

 脱臼が放置され陳旧性となると不良肢位での拘縮が生じ難治となります。

 整復後でも習慣性脱臼や動揺関節が生ずることがあります。

 

  *病的脱臼

 外傷以外でも関節包の弛緩や、関節面の骨破壊により起こるものをいいます。

 急性化膿性股関節炎、股関節結核など関節自体に病的状態が存在します。

 

 

 このほかに小児特有の脱臼があります。それは肘内障と呼ばれるものです。

 

 

骨折や病的要素が加わることもありますので自己判断せず、必ず専門家の意見を聞きましょう。

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