膝半月板損傷
半月板とは
大腿脛骨関節は、関節の形状から安定を保つために凹凸があるが、更に安定感を増すためにそして膝の屈曲や伸展がスムーズに行くよ
うに半月板と言う軟骨の組織があります。
半月板の働きは関節の安定化の他にクッション(衝撃吸収装置;ジャンプしたときなどの膝への衝撃を和らげる)の働きもある。
半月板は繊維軟骨とコラーゲンからできていて、周辺の関節包からの血液と周囲にある関節液からの栄養を受けて維持されていて、通
常、長さ40ミリ、幅8ミリ、厚さ1~4ミリ程度の大きさをもつ三日月形の形状をしています。
半月板損傷は、スポーツなどの原因で過剰な衝撃が加わったり、不用意なひねりが加わることでヒビが入ったり、裂けたりする損傷を
受けることがあります。
又、激しいスポーツはもちろん、うさぎ跳びのようなど根性動作でも破損・断裂する危険があります。
半月板が損傷・断裂して砕けた破片の一部が関節内ではさまり、膝関節の他の部位を傷めたりすると関節内で炎症を引き起こすように
なります。
半月板を単独で損傷するよりもむしろ、前十字靱帯や内側側副靱帯の損傷を併発しやすく関節軟骨の損傷を伴うこともあります。
膝半月板損傷の症状
・膝の疼痛 受傷後すぐに荷重歩行痛が現れます。
また、膝裏からふくらはぎの上部にかけての放散痛を訴えることもあります。
・関節の腫脹 膝の関節に関節液が溜まり大きく腫れあがります。
・嵌屯症状 損傷した半月板の破片が大腿骨と脛骨の間に挟まれ、膝が曲がったまま伸ばすことが困難な状態になることがありま
す。
この現象はロッキング現象とも呼ばれます。
特に、完全伸展ができなくなります。
・膝折れ現象 歩行や走行中に、不意に関節が脱臼するような感じで膝が折れ曲がります。
でこぼこ道を走行中などに膝がガクッと折れそうな感じを受けます。
膝折れ現象は、軟骨片や半月板損傷の剥離片が大腿骨と脛骨間に挟まることで生じます。
・弾発現象 弾発現象は、膝がバネ仕掛けのように急にガクッという不規則な動きを起こす現象です。
きしみ音や振動などを伴うこともあります。
・クリック 膝の中でクリッというクリック音がします。
半月板損傷が進むと、膝内部での骨の表面が滑らかでなくなり、痛みや引っ掛かりが生じたり、関節液が溜まったりなどいろいろな症
状が出現します。
適切な対処をせず放置すると、半月板以外の軟骨や靱帯などの構造物をも傷めてしまい、やがて重篤な状態に陥ります。